「創造する」「表現する」という意識が生まれた時に、それまでコミュニケーション不能だった相手との回路が開きます。相手を敬いお互いを尊敬しあう心が生まれたとき、日本におけるアール・ブリュットという現象は芸術革命ではなく、コミュニケーション革命だと考えています。
・・・・むしろ、アール・ブリュットを必要としたのは、障がい者の方ではなく、社会の方なのだと考えています。
アール・ブリュット作品の魅力は「伝えようとしていない」ことです。私達の表現はどうしてもなにかを伝えようという行為を帯びてしまいます。それが良い悪いではなく、意識が働きます。
アール・ブリュット作品は「生命」のさまざまな断片を垣間見せてくれます。
アール・ブリュットは、障害者の行動に「表現」という新しい解釈をしました。時には繰り返される無駄な行動が実はその人の自己表現であり、なおかつオリジナルな芸術的行為であるという発見は、福祉現場にいる方たちに驚きと感動を与えました。
エイブル・アートは、日本発の運動で目的のひとつは、「それまで価値の低いものとみられてきた障害者芸術のすばらしさを知らしめ、障害者の地位を高めること」もうひとつは「そうした活動を通して、誰も疎外されたり排除されない社会の実現を目指すこと」であり。近年は障害者芸術だけでなく、生きづらさを抱える多様な人たちが抱える問題についても扱うようになっている。
私たち、「ギフから世界をデザインする」は県内で埋もれていた作者や作品を発掘して展覧会を開催します。
作品を前に、言葉はいらない。見る!感じる!思う!。そして、年若くても、年老いていても、男でも、女でも、魂であるという意味で、私たちはみな同じです。
きれいとか。汚いとか。いいとか。悪いとか。人からどう見られているとか・・・彼らには、そういうことはどうでもいいようなところがあります。そこにこだわりが無く、関心が無いという。人間という着ぐるみを脱ぎ捨てた生き方をしているような気がします。
NPO法人ギフから世界をデザインするは、「アートをきっかけとした、作家の魂と観る人の魂が共鳴し合う場をつくる。」それが私達の仕事だと考えています。